第16章 2005

 16-1● 

2004年の結末

 8月の乗鞍ヒルクライムのあとも上手くスケジュールの合うレースがなかなか無く、次の目標を10月の富士山ヒルクライムに決定したものの9月半ばから10月の上旬までヨーロッパ・ツアーのためトレーニングは出来ないからあまり期待はしていなかった。それがそれが、期待だの何だのと言うどころではない羽目になってしまった。ツアー出発4日前にラムのロックでしたたかに酔い、丁度来た電車に飛び乗ろうと駅の階段を駆け降りて転落、電車には乗れたものの左足小指付根骨折。翌々日に病院でパンパンに腫れた足でそれが分かった時にはまず「六週間後に自転車のレースがあるんですが走れるでしょうか?力がかかるのは拇指球のところだから大丈夫ですよね?」と医師に訊ねて呆れられる。六週間松葉杖を使うように言われたがとても無理だから断り「(ツアーで)三週間も動き回るのでは骨が付かないかも知れずそうなったら手術しかない」と警告されたが帰国翌日に診察を受けたら順調な回復ぶりだった。とは言ってもレースどころではない。なんとか走れるのではないかと直前まで悩んだがやはりまだ完全にくっついた訳ではないし医師にも歩く以上のことはやめておくようにと言われたので(ちょっとは自転車に乗ったけど)やめた。実はエントリー料を振り込んだ日の夜だったのだ、骨折したのが。
 で、目標なきトレーニングの再開は骨折二ヶ月後の11月15日のローラーから。4回ほどやってから24、25、30日に多摩湖を走る。久々の外走りは気持ちいい。しかし遅い!!絶頂期に33km/h だった11kmのコースのアベレージは27km/h。まあリハビリだしシーズンオフだしゆっくりを心掛けているフリはしているのだが。その後はしかし年末までツアー、レコーディングなどばたばた忙しく、12月はローラー3回多摩湖1回に終わった。

   2005年の方針など

 昨年も一昨年もさっぱりになってしまったこのページ、本年はそういった状態に陥らないようレース中心ではなく日々のトレーニングなんぞも書いて行こうかな~、と考えたのである。でも去年もこういう書き出しでした。

   1月1日~18日

 ローラーでのトレーニング強度の基準は2003年1月から採用の橋川健選手が某誌に書いていた心拍の区分をアレンジ。
1. Rest (50~60%) 2. Easy (61~72%) 3. Tempo (73~84%) 4. Race (85%以上)
 これを最高心拍数180に当てはめると Rest 90~109/Easy 110~129 /Tempo 130~152 / Race 153~180
近頃の最高心拍はマトモに計測していないからそろそろ見直しが必要か。一般的な「最高心拍=220-年齢」だとこれでは40歳だもんな。一昨年はトレーニング中(パインヒルズの人達に混ざってしまった時)178 が出たけれど比較的低心拍のオレはレースでも滅多に170を越えない。いや、心拍より先に脚の方が回らなくなってしまうということか。

12月にスピニング・マシンを購入。以前会員だったスポーツクラブにあって高負荷・高回転が出来るところが気に入っていたのだ。しかしローラーと違って走行距離の算出のしようが無い。記録好きとしてはつらいところだ。
 
1/4:スピニング40分。アップ~Easy(平均心拍=AHR123)~Tempo(同138)~クールダウン を各10分。

1/5:スピニング60分。アップ~Easy(AHR 125)~Tempo(AHR 139)~Easy(AHR 127)~Tempo(AHR 140)~クールダウン を各10分。

1/7:午前中多摩湖に向かうものの大晦日の残雪が広範囲に凍結していて暫く走ったものの諦めてユネスコ村を下り狭山湖駐車場へ上る。ここから戻ってユネスコの上り(第1章に記載、我が自転車道のきっかけになった激坂)を2度周回して引き上げ。21km。

1/8:スピニング65分。

1/10:固定ローラー復活。負荷レベル+1で1時間10分。アップ10分から始めEasy 20分(ギア39X19/AHR 126)、Tempo 10分(52X19/AHR 146)、Tempo 10分(39X17/AHR 136)、Easy 10分(ギア39X19/AHR 127)でクールダウン10分。27km。

1/11:ローラー45分。アップ10分、Easy 10分(39X17/AHR 126)、Tempo 10分(52X19/AHR 146)+5分(39X17/AHR 133)、ダウン10分。

1/13:10時半過ぎにAnchor にて出発、山王峠に向かう。通常よく行く小沢峠~山王峠コースは日陰の多い小沢への道の残雪凍結を避けて日当たりの良い小沢峠の南側上りのみにする。それでも峠はところどころ凍結。それに途中の「日影林通り」といういかにも寒そうな道の路肩も凍っていた。トレーニングのターゲットを心拍141~150に設定、これはいわゆるイタリア式のメディオ(80~82%で心肺レベル向上を目指す)の域。当分寒い間はこのあたりを中心に走ろうと思う。家の5、6km手前の上りで抜いた普通の格好をしたスリックタイヤのMTBを抜いたのだが気が付くと下りで後ろにぴったり付かれていてその後の平坦で抜かれてしまった。後ろに革靴を括り付けていてちゃんとMTBシューズを履いていた。既に私はクールダウン中だったので抜き返したりせず冷静にそのまま行かせてやった。オトナ。
 48km、正味1時間55分走行。HR141~150:59分/全体の53.3%、HR141以上:1時間10分/63.4%
と、なかなかいい内容。

1/15:朝雪が降っていたからめげたというわけでもないが夕方から仕事だったのでスピニング30分でおしまい。

1/16:昼間のリハーサルが早めに終わったので帰宅後のビールを後回しにしてローラー45分。アップ、Easyを各10分、Tempoを15分、ダウン10分。

1/17:午前中多摩湖周辺。この日もターゲットHRを141~150で走る。32.5km/1時間17分、ターゲット域45分・53%、HR141以上53分・69%。

1/18:午前中13日と同じく山王峠往復。行きも帰りも向い風の強い区間があってなかなかきつかった。
49.1km、1:59。ターゲット域48分・40.3%、HR141以上1時間02分・52%。13日より心拍的には強度低し。風に負けた?

山王峠上。向こうに見える山並が美しいのだが携帯カメラではこんなものか。
峠を下る途中、脇に入ってキビシサを表現。

  1月19日~31日

1/19:午後3時過ぎから多摩湖周辺で31km。この時間から始めると後半は冷えまくり。相変わらずターゲットHRは150あたりまで。
1/21:ローラーを1時間。ずっと以前にも書いたがローラーの内容をご紹介いたします。
機材:ミノウラ ハイパーマグ 負荷を+1(7段階の2番目。以前は+2だったなぁ…。)
バイク:マルイシ・エンペラー クロモリ
アップ:心拍90~109(10分)後、Easy:HR110~129/ギア39X17 、Tempo:HR130~152/ギアは52X19か回転重視の場合は39X17のまま。この2タイプは10分ずつ交互にしたり稀に20分ずつにしたりする。時間の無い時はヒルクライム的負荷になるアウタートップ(52X12)で5分、だとか心拍無視スプリント30秒+流し1分30秒を数セットなども取り入れ臨機応変。まあこれらはもっと暖かくなってからだが。
 この日のメニュー:アップ10分後Easy 20分、次いでTempo を52X19と39X17で各々10分ずつ、ダウン10分というメニュー。細かくデータを取っているがそれによると例えば近年の通説・低負荷高回転が良いというのは必ずしもあてはまらないようだ。この日のTempo域での記録は前半10分アウターで距離5.56km/平均HR146(平均ケイデンス96)、後半インナーで5.10km/HR148(ケイデンス105)、と明らかに前半の重めのギアを踏んでいるときの方が良い。僕の場合通年こういう傾向でこの前後を入れ替えても同様である。実際に外で600m程の上りを何度も走ってデータをとったときもある程度重いギアの方が速く低心拍だった。まあ重いギアと言ってもタマさんみたいに秩父・龍勢ヒルクライムのコースを「アウター、リア3枚残し」なんて言ってギシギシと上る猛者から見たらコドモみたいなものですが。・・・現在タマさんは超高負荷トレーニングが祟ってか膝の不調を理由に一時休養中の模様。脂肪補給に専念か。

*自転車乗りでない方へ*<ケイデンス>1分間のペダルの回転数です。決して念仏のようにモゴモゴ勘定しているわけではなく、ハンドルに取り付けたメーターに速度、時間、距離、心拍数などとともに表示、記憶され私が使用しているものは更にコンピュータにダウンロードできグラフ表示が出来ます。で、何の役に立つのかって?うう。

ま、こんな感じ。赤=心拍数、青=速度、緑=ケイデンス
色分けの帯のピンクがEasy、青がTempo。表示は色々切り替えられ13日のようにある心拍域が全体の運動の何%かも分かる。マウス操作で例えば20分から35分までの区間での速度、心拍、ケイデンスの平均・最高最低値なども分かる。

ついでだからこれも。18日の山王峠のデータ。

どんどん蓄積していくデータ。ホント、一体何の役に立つの?

1/25:ローラー40分。昼からレコーディングだったのでアップ、Easy、Tempo、ダウンを10分ずつの慌ただしいもの。

1/26:前日と仕事もローラーも同じ。

1/27:多摩湖で31km。

1/29:またしても軟弱にローラー40分。時間も無いし(ホントはある)退屈だしツライし(同じ心拍域で比べたら絶対実走よりきついもんね)、でも外は寒いし出かけるまでに時間がかかるし車に幅寄せされるし、、、、、ブツブツ。

1/31:前日までの走行距離を計算したら346km。400kmを超えておきたいという、何の根拠もない理由から54km稼ぐべく午後走りに出る。こんなことならスピニングでなくローラーにしておけば距離を残せたのに、となんとも本末転倒の気分。峠に行くつもりだったがこの時間だと帰りが寒そう。多摩湖ルートをひたすら4本+αで57km走り無事(?)月間404kmになる。

 16-2● 

2月前半の有り様

 寒い寒いと言っても12月が暖かかったからそう感じるそうで例年通りなのだと気象情報では解説している。しかしやはり寒い。
2/2:多摩湖で31km。
2/5:ローラー40分。

2/6:久々にカオスの面々と走る。ピナレロで走るのもひょっとすると8月の乗鞍以来か。本日は清瀬~浦和所沢バイパス~富士見有料道路~川越・喜多院~16号~大宮・指扇のイタリアンレストラン~荒川自転車道~浦所バイパス~戻り、という厳冬期のコース。仕切り役強豪・島さん以下橋本、谷中、亀岡、鈴木、田中、早川の7名。清瀬から12km程で富士見有料に入るとペースアップ、島、亀岡とで三人になり先頭交代をくり返しつつゼコゼコ回す。両側風を遮るもののない直線が延々続き苦しい。いつもながら先頭を引く時間は島さんが長め。アップダウンは何箇所かある立体交差だけだが向い風が厳しい。4kmほどのところにある料金所で一旦全員を待つことになっているのでこれを仮ゴールに見立てて、近付くと一層ペースがあがり手前1kmからバトル開始。ハンドルの下を持って猛然と踏む島さんの後ろになんとかへばりついて必死に漕ぐ。ラスト200mを切って何故か緩めた島さんをかわしてかろうじて先頭で入る。ゆっくりそこらをぐるぐる回ってクールダウン、他のメンバーを待ってから川越出口までの7kmを再開、「ここからは楽に行こう」という島さんを信じたのに大嘘。結局また同じ3人になってしまい(まあきっかけはオレだったような気もするが)、最後は二人に付いていけず脱落し15~20秒離されて終わった。喜多院に参拝してから指扇でワインとパスタ、ピザの昼食。

 ぐたっとしつつ自転車道を南下し始めれば軽い酔いもさっさと覚め、浦所バイパスではまた3人でそこそこのペース。川越街道を越えてから清瀬方向へ向かう皆と分れ新座の玉川サイクルに顔を出す。注文してあったメーターのブラケットキット2セットを受け取りすんなり帰るつもり(でもなかったが)が「お茶飲む?」「そうだな」と出て来たのはビール。「これ昼飯食いきれなかった分なんだけど」とつまみまで。鶏の南蛮漬けにアスパラ豚バラ巻きのフライ、たらの芽のテンプラという揚げ物2種にビール、およそアスリートっぽくないティータイムになってしまった。本日の走行80kmの何%が無駄になってしまったのだろうか。ま、そもそも走ること自体無駄かもね。でも久しぶりの複数走行はやはり楽しかった。

 帰路斉藤女史と遭遇する。近年トライアスロンどっぷり、カオスには来ていないようで今日は女性二人で小沢峠を越えて名栗渓谷で昼食を食べての帰りだそうだ。この寒いのに峠かい。来月はニュージーランドのアイアンマンに出場だというので驚愕する。超トライアスロン、スイム何kmに自転車160kmにマラソンだからな。この一見華奢なひとに「今度いいロングコース教えてよ、走りましょ!」と言われ「いやあ、俺脚つっちゃうからなあ、モゴモゴ」と後ずさりして帰ってきた。

2/8:スピニング40分。
2/9:やはりピナレロは良かったのでホイールをよそ行きのSpinagy Spox から練習用の Mavic Reflex に履き替えて多摩湖に行く。最近の練習の伴侶Anchorよりどれくらいタイムがいいかといつもの多摩湖コースに向かうがメーターのメモリーボタンを押し忘れ比較出来ず。特にいい訳ではないのは過去のデータで良く分かっているのだがすこし残念。

2/10:メーターブラケットをAnchorに移植してしまってからここ数カ月トレーニングに使っていなかったCarreraだが、先日玉川サイクルで購入したキットを付けて、斉藤女史の影響ではないが今年初めての小沢峠に向かう。走り出すと「やっぱりイタリアンはいいぞ」と思ったのだが暫くすると腰に痛みが。ちょっとポジションがきつ過ぎるようだがイタリアンなのでやはりこれくらいはサドルとハンドルの落差がないとなあ、と意味不明の理由でそのまま走った。54km。

2/13:前日レッスンをしている小平のスタジオに iBook の電源アダプターを忘れて来たので午前中せっかくだから多摩湖経由でCarreraにて取りに行く。やはり走り出して間もなく一瞬だが腰に痛み。やはり前傾きつ過ぎか。午後仕事なので小平からは回り道せず帰宅、32km。
 この週はレコーディングだったので何かあってはマズいから以下2回の室内のみ。
2/15:ローラー45分。
2/17:ローラー45分。

 ● 16-3● 

2月後半~3月の有り様

2/21:ローラー45分。
2/24:Carrera で小沢峠を越え名栗川沿いを南下して山王峠を経て戻ってくるルート60kmを走る。前回・前々回乗って出た腰の痛みはサドルを5mmほど下げたら解消。つまらんミエを張ってはいかんな。素直に体型を認めよう。しかしCarreraは脚が出来ていないと重い。帰路はちょっとした上りでも後ろをつかまれているよにさえ感じられた。
2/25:久々にMTBを引っ張り出すが山に行ったわけではなく買い物に6km。そのあとローラー50分。
2/27:Carreraで雑用12km。
2/28:Anchor で多摩湖、31km。
 2月計428km。まあこんなもんかね。

3/2:多摩湖で40km、Anchor。
3/3:多摩湖で32km、Anchor。
3/7:Carreraで買い物・雑用5km。

8日からマレーシアで仕事。運動と言えばホテルで腕立て、腹筋、気休めのスロー・スクワットくらいの日々で20日に帰国して22日再開する。
3/22:Anchorで多摩湖を30km。区間11km1回目のデータは平均速度28.6km/h、平均心拍151、出国前では2/28が30.0km/h・HR154、3/3に29.4km/h・HR149 だから当然ながら落ちているが再開初日のリハビリにしてはいい方だろう。実を言うとここのルートでのベストレコードは平均33.3km/h、このときはそのままターンしての22km計測でも33km/hだった。何年前だったかは触れませぬ。
3/24:多摩湖など34km。一昨日より負荷を上げる。
3/28:ローラー45分。
3/29:多摩湖36km。
3/30:ローラー50分。
3/31:小沢峠~名栗川~山王峠で59km。小沢峠の南上り6kmのタイムは16’25”,HR150。一人で走る時の平均的なタイムか。こんなにサボっていてもそこそこ走っている時とさほど変わらないというのは安心でもあるがいかに低レベルであるか良く分かりかなり情けない。

 3月計273km。途中2週間のスタジオ+酒池肉林を考慮すればいたしかたない。

 16-4● 

4月前半の有り様

 4月、いよいよ、というかぼちぼちレース・シーズンインだ。トレーニングレベルを上げて行かねばならぬ。
4/2:Pinarelloを出して小沢峠に向かう。途中17kmあたりのところにある「東京バーディCC」の500mのきつ目の上りで、数キロ手前から先に見えていたロードに追い付いた。ちらりと振り返られ、抜こうかと思ったらなんと口笛なんて吹いている。おのれぇ、この勾配で余裕を見せやがって、俺が近付いたんで吹き始めたんだろっ!でもおとなの俺はそんな挑発には乗らず抜くのはやめた。勝負は小沢に取っておいてやる。ここの上から成木街道への下りは上りより急で体重の軽い俺でも65km/hくらい出る。成木街道をゆるく上り3km程で右折して小沢峠へ。ずっと後ろを付かず離れず、途中一人抜き、さあいよいよペースアップだ。と思ったんだが向こうの方がもっと上げた。あれれ、離れていくぞ。ここで離されても峠の最後のきついところで追い付くことはよくあるので今日もそれで行くしかない。と思ったんだがその最後の300mの直線上りに入った時にはもうテキは上り終りそうであった。お陰で31日より速い15’36″でした。
 名栗川に下ってから北側を上り直して帰る。61km。
4/3:カオスのクラブラン。橋本氏、保谷君との3人のみで多摩湖経由で昨日に続き小沢峠へ。小沢では保谷君に大抵負ける。いつも手前の東京バーディでは引き離し小沢に入ってからも全然視界にいないのに中程で突然背後に現れて抜き去られ最後の直線で詰めるものの追いつけない。ペース配分がまったく違う。本日もそのパターンで負け。小沢のタイムは15’41″、昨日の方が速かったのに残念。80km。
4/5:Carreraで多摩湖一往復(西武園から反時計回りで外周を走り青梅街道・武蔵大和に下る12kmをターン)後に往路を途中まで走ってから狭山湖経由で帰る36km。3/22に触れた11kmの区間は往路アベレージ30.4km/h、前半は心拍を150に押さえていたことを考えるとちょっとマシになってきた。それにかつて33.3km/hを記録したあとここで事故ってるからオトナになってあまり無理はしない。
 午後自由が丘のバイクショップ<ポジティーボ>にPinarelloを持って行く。数年前のカオスの伊豆合宿に行くときにワンボックスカーに強引に詰め込まれて曲ってしまった右リアエンドを見てもらう為。内側に曲っているのでローに入れた時にディレイラーがスポークに軽く当ってしまうのだ。本番用のSpinagy Spox では接触しないので「トレーニング用ホイールの時はローを使わなければいいのだ、強くなるしな」などといい加減な理由をつけてズルズル先延ばしにしていた。ポジティーボは一昨年までイタリアでメカニックとして活躍していた永井孝樹氏が最近オープンさせた店。所属していたファッサ・ボルトロはPinarelloをずっと使用しているし永井氏自身の愛車もルムサス選手が乗っていたPrinceである。まさにワシにぴったりではないか。新車の組み付け中だった氏は早速作業台に俺のPrinceちゃんを乗せ替えて手早く点検、あっという間にエイッと修正してくださった。勿論仕上げの点検も丁寧、料金\1,500+税。大感謝。途中現れたダイナソア(輸入代理店)の営業マンに勧められCarreraのニューモデルも試乗させてもらった。ペダルもシューズも選択出来たのでTIMEの新型にガエルネの日本人向け幅広シューズを組み合わせて走行。いや~いい。欲しい。しかし先立つものは当然ない。付いていた3Tのビオモルフェというハンドルが良かったのでこれだけで我慢するかと思ったのだが、帰りの車の中でカタログを見たら\47,250 !!であった。さいなら~。
4/7:気持ちよくなったPinarelloで山王峠の脇の5kmの上りをやりに行く。今年初。去年の4回よりいいタイムだった。途中まで下ってから一番きついところをもう一度上って帰る。57km。
4/8:多摩湖など38km。
4/10:カオス・クラブラン、小沢峠など。か、か、勝った。いつものように中盤に抜き去られたが最後に追い付き抜き返す。苦しかったぁ。本日は集合場所の清瀬まで行かず多摩湖で待ち伏せ合流したので走行69km。
4/12:ローラー55分。
4/13:スピニング40分。
4/14:多摩湖1往復~狭山湖で36km。
4/16:今シーズン初レースとなる<第10回ツール・ド・草津>に前日入り。夕方ホテルに着いて温泉に浸かる前にカオス・吉川(兄)君と10kmばかり走る。寒いのなんの、宿近辺でも道路の外には雪が残っている。明日の上の方は厳しいだろう。夕食前保谷夫妻到着。いつものボッシュ・ジャパンの人達と一緒に夕食宴会。早めに切り上げるが吉川君と部屋でワイン。
4/17:珍しい好天で朝を迎える。4回目の出場だが今迄のところ同行グループ(カオス+ボッシュ)では1位(浅倉君は一応ゼルコバ籍なので除外。それに今年は八ヶ岳と日程が重なってそちらへ出場。)、そうなのだ、ここでは保谷君に負けたことはないのだ。当然目標はこの実績のキープである。しかしあまり自信はない。先週小沢峠で勝ったからいいかなぁ。
 9時半から開会式、千人超の混雑のなか、10周年特別招待選手グレッグ・レモン氏の挨拶もあった。86、89、90年のツール・ド・フランスのチャンピオンも40代半ばでかなり丸い体型だ。10時にスタート、まずは温泉街をぐるりと回るパレード走行が5kmある。温泉街からスタート地点に戻って正式スタートだがこの手前になかなか急な長い上りがあるのでいいウォームアップになる。それにスタートから個々にメモリーチップで計測されるのでウィンドブレーカを脱いで背中のポケットに突っ込んだりドリンクを飲んだりして自由に始められるのがいい。以上のことをして気合いを入れス13km先の白根山ゴールを目指しスタートゲートをくぐる。目標心拍は160。5km地点の殺生河原までは18分38秒、平均心拍159。ここで書きながら調べたら前回03年はここまで17分52秒、AHR165じゃないか!01年は18分22秒、AHR159。ダメじゃん、これじゃ。で、ここを過ぎると例年通り強風にあおられるわ、寒いは、で一層厳しくなる。前回は悪天候でとにかく手が痺れて辛かった記憶が強いので上半身リラックスを心掛けてはいるんだがそんな余裕の状況ではない。油断すると脚が遅くなり心拍も150台前半に落ちてしまう。途中先に出走していた吉川君に追い付き声をかけた直後保谷君に抜かれた。とうとう現れたか、よーし、と気合いを入れ直したかったが無理すると先がもたない、などと弱気な思いが頭をよぎる。それでもなんとか視界内にはあって共に順調に先発選手たちを抜いて行くがなかなか縮まらない。おまけにこうしている内に怪物・二階堂翁(63)に抜かれてしまった。暫く必死に後ろに付いて行くが若い選手たちをごぼう抜きといった勢いなので諦めた。少しだけでも付いたおかげで保谷君とはやや縮まったものの追い付くまでは行かない。苦しい。それに彼が後ろから来たってことは俺より後にスタートした訳だから追い付いたってむこうの方がタイムはいいんだもんなぁ、なんて思いも。そうこうするうちようやく「あと3km」の看板。次第に同じ様なレベルの4、5人でグループが出来てくる。「2km」の看板でペースがやや上がり始め、ついに「1km」を越して更に上がり500mを切りスプリント(と言える速度かどうか)、1人でも抜きたかったがゴール前はコースが狭められていて1台ずつしか通れずペースダウンしてフィニッシュラインを通過した。残念、しかしここでこんなに頑張れるならもっと早めに頑張って力を出し切れってんだよな。でもやっぱり相当きつかった。降りてから暫く動けず。
 殺生河原~白根山までの平均心拍は154という有り様。03年164、01年156。トータルのタイムは52分41秒372。前回は49分09秒だから3分半も落ちてしまった。しかし前々回は52分48秒だからまあよしとするか。クラス(51歳以上)92名中18位。で、で、で、肝心のクラブ内勝負は勿論負けましてタイム差38秒。間違って持ってきた礼服用のソックスで走った吉川君は1時間8分でした。グレッグ・レモンは1時間13分!でも何で晴れた今回と前々回が遅くて雨・霧の前回が速いんだ?風のせいだろうか。おまけに最高心拍数はわずか163であった。これがレースかいな。

ゴール後レストハウスで休憩してから預けてあったカッパなどで
防寒対策をほどこした下山前の保谷(左)・吉川。寒風に震えている。