ずれずれ草 2003年12月~2004年8月

その109   (’03/ 12/11)

  という案配で帰国後、すぐに我が HAYAKAWA のリハーサルを行って11月24日からレコーディングに突入。大久保の ON AIR スタジオである。エンジニアはKowloon の川瀬氏。プロデューサー脇谷氏と彼が10時にスタジオ入り、12時にドラマー陣、我が輩、1時にギター陣が入りセッティング、音造りを終えバンドで音を出し始めたのが3時過ぎ、1曲目に簡単に済むと考えていた <Pordoi> を演奏するが思いのほか手こずりOKテイクが録れたのは5時半頃。しかしその後は順調に進み<Tochi>< バリタコ><Pedal Tones> と10時前に計4曲を録音出来た。
 二日目にしてベーシックレコーディングの最終日である25日は11時過ぎからメンバーの内の某1名とデュオをぱぱっと2テイク録った。昼過ぎから全員で <Syllogisme Colonial(旧・新曲2)><新曲1><Emのバラード><900ton >とまずまず順調に予定の曲を録り終わったのが9時頃。その後前日MC924で演奏したバリタコをAFRフレットレスで録り直して10時頃終了。12月のCOILツアーやその他のライブの一段落する10日から川瀬氏の Gumbo Studio でちょっとしたオーバーダブとミックスダウンに入る。なんて書いているけどいまその横浜ガンボスタジオでPordoi のミックスをしているところ。じっくり音を作っている。乞う御期待。実のところ皆の好演に胸が熱くなっておる。ほら、目頭まで・・・。

↑弾いていません

使用機材
ベース:Ibanez MC924 、BTB 5弦、AFR フレットレス
アンプ:Peavey Series 400
スピーカー:JBL15″ in GK115B
エフェクター:EBS MultiComp、田中篤史作ScreamingFuzz、
 Boss SuperOctarv、DigiTech BassWahrmmy

その110   (’03/ 12/29)

<立体作品2点> 

 ニューヨークに長く住んでいる友人のコーゾー君(新田幸三)が近年彫刻を始めて、私をモデルにした作品を送ってくれた。鼻が低くて短足なのが本人と非常に掛け離れているがなかなかのものである。わずか2年でここまでやるとは凄い。次作は是非ロードレーサーで疾走する勇姿をお願いしたい。
 もう1点はブラキオサウルス。これはNHKの番組の為に製作されたものがあるデザイン事務所の解散に伴い処分されるというのを鬼怒マネージャーS女史の通報により昨日の朝麗蘭のリハ前に赤坂まで救出に出向い譲り受けたもの。さすがの出来栄えだ。

<年末麗蘭>
 
恒例の麗蘭・磔磔ライブ。今回はパーカッションではなくドラムでやってみようということになり北澤篤に依頼。麗も蘭も初対面である。数日間のリハーサルを経て初日の今日28日。紹介した手前こう見えても双方に色々気を使ったが北澤君は盛り沢山の内容を短い期間でよくこなしてくれ、ギンギンのライブであった。バンドの音も実に気持ち良かった。明日をドッカーンとロックしたら正月。今月10日に手を付け始めたHAYAKAWAのミックス、じっくりやっているので予定より大分遅れているが5日に再開。タイトル、曲名、ライナーの締切りもやってくるぞ。えらいこっちゃ。

その111   (’04/ 1/26)

 正月早々にふたたび横浜・ガンボスタジオに入りHAYAKAWAミックスダウン、そしてライナー、タイトル、曲名を溢れる脳みそを絞って熟考・推敲を重ねて日々は過ぎる。そうは言っても6日の Coil でドカンと今年のライブも始まった(実際は店から音量を下げるよう再三要請されてしまったが)。相変わらずムズカシイ藤井カルテットも9日に新作<Zephyros>国内盤レコ発ライブ。カオス・レーシングの新年走行.飲み会の痛飲を挟んでHAYAKAWA初ライブ、これはちょっと集客力不足で新たな一年を予感させるような…..。内容はレコーディングを経ただけにグレードアップしていた筈。アケタでの恒例緑化計画に10月以来の復帰も楽しく、益々パワーアップしていると評判の<70年代を引きずるオンナ>清水くるみとの実に久々のトリオもなかなか。
 そして3年振りになるのか、18日<昔の名前で出ています~>D.U.B. at 仙台。向上心の旺盛な俺は演奏に際してヒジョーにナーバスになるのが常なのは有名だが、なんたってこのバンドは87年に解散しているのだから気楽である。新幹線でビールと弁当で旅情を味わう間もなく仙台に着いてしまい会場 Satin Doll に3時頃入りセッティングと思い出しリハ。なんたって譜面なんか残ってないもんね。しかしあれだけやっていたから覚えている曲だけでレパートリーには困らない。殆ど思い出話的雰囲気のリハを済ませ餃子屋で飯とビールで演奏に臨む。ぎっしりの客で熱気ムンムンの中、私の名曲 Pop Up で幕を開けた灼熱のライブはアンコールの Jayne (かな、スペル)まで実に素晴らしかった。あー、気楽。しかし菊池のドラミングはブランクを感じさせないところが凄い。ま、もともとナンだから、という口の悪いやつらもいるが。打ち上げも盛大に旨いもの旨い酒で楽しくツブれ、翌日昼飯に行った寿司屋も肴、酒共に最高。たかりバンドマンの理想的二日間であった。
 翌日は初台Doors で KIKI Band、若手の<高速スパム><Lodge><Killing Floor>との対バン。我々は3番目だったがトリの Killing Floor が<Pop Up>を取り上げてくれその夜最後に梅津氏と俺が加わって演奏した。光栄である。そうそう、3月25日、HAYAKAWA レコ発第一弾・高円寺 SHOW BOAT では彼らが対バンだ。何かジョイントできるものを考えよう。
 前日に二人だけでリハ(というか御指導ですな)をした旧友・渕野繁雄ユニットのライブもなんとか無事にすませ(予想通り音量のお小言頂戴) 、さて本日はこれからゲスト入りCoil だ。今日は出します。

<塚本氏撮影>
  記憶をたどりつつリハーサル
私のソプラノサックスに酔いしれる観客。感動にカメラも揺れている

その112   (’04/ 2/13)

 ニュー・アルバムはタイトルを<骨>に決定。studio wee 脇谷氏と協議の上『Hone <骨>』を正式名称とする。しかし漢字は帯には入るがジャケットそのものには入らないだろう。ミックスダウンからちょっと空いたが2月3日に築地の<東京録音>の塩田氏の腕によりマスタリング。一昨年の<Kowloon>を手掛けてもらった人物で、実に適格にこちらの意向を汲み取ってかつ提言もしてくれる頼もしい人物。こちらの意向ったって「どんな感じで?」と最初に訊かれて答えは「えーと、ドカーンと派手に」だったんだけどね。実際のところは緻密な作業で、ある帯域を持ち上げるか下げるかで楽器のバランスや全体のカラーが微妙に違ってくる。全体の音圧も問題になる。音圧を上げれば全体に奥行き感が無くなってしまうし、低いと他のCDと続けて聴いた時に弱くなってしまう。曲間も大事な要素だ。かくして大変満足の行く仕上がりとなって脇谷、川瀬両氏と近くの、翠川さん御推奨の居酒屋で軽く打ち上がった。

 7日の横浜 Stormy Monday のライブは、ミックスやマスタリングで散々聴き込んでしまったので全く違う演奏をしたくなり、各ステージに1曲ずつ殆ど決めごと無しのインプロをやった。2つともエンディングの思惑が食い違ってしまったが内容は面白かったしアンケートでも好評で、曲作りに新しい要素を取り入れる展望を得られた。

左:D.Wimbish
右:SR 905

 11日、COIL でPit Inn。昼間名古屋のアイバニーズ本社から2本の5弦が届いた。昨年から使っているBTB 5弦も最近いい感触なのだがスーパー・ロングスケール、やはり手の大きさから「ネックが細めのスルー・ネックの5弦を」とのリクエストに早速応えてもらったのだ。最新モデルの SR905 とダグ・ウィンビッシュ(Living Colour)のシグネイチャー・モデル。特に今までスルーネックが無かったSRシリーズの905 は昨年プランを聞いた時点からそそられていたので、実は徹夜明けだったのだがテンションがぐっと上がりこの2本とMC924 を引っさげ乗り込んだ。SRは実に弾き易くかつ手応え十分、バルトリーニPUのトーンコントロールの幅が豊富なだけにまだセッティングが決まらないが可能性が広がる。DWはEMGのPUもあって硬質で派手な、もろにリヴィング・カラーのサウンド。ブルーのシースルー塗装が美しい。ハマる曲ではイケそうだ。もっとスラップ練習してみっか。

その113   (’04/ 2/27)

 アルバムの曲名のヒントを求めて先月読んでいたピーター・D・ウォード「『メトセラの軌跡』 ~ 生きた化石と大量絶滅」はいい本だった。著者はアメリカの頭足類が専門の大学教授と言っていいと思うのだがもう図書館に返してしまったので確認出来ない。一番割かれているのはアンモナイト、オーム貝を巡る謎。同じようなこのふたつの系統がなぜ一方のアンモナイトは数度の大量絶滅を乗り越え多種に進化して繁栄したのに突然絶滅してしまったのか。ほんのちょっと構造が違うだけのオーム貝はなぜ今もひっそりと生き続けているのか。加えて著者のフィールドワークの描写が実に詩的でいいのだ。オーム貝を捕獲したあと深い海に放しに限界まで抱えて潜水していく様、化石調査に訪れるスペイン・バスクのことなど。読みましょう。しかし実は最後まで読まないで返却期限を2週間過ぎてしまって返してしまいました。
 ついでに、去年6月にメルスに行った時に読んでいた「ベンツに乗って強盗に行こう」ジェイムズ・ホーズ著もいつかここで紹介したいと思っていたので突然ですが、面白かった。銀行強盗を描いたものだがサスペンスものとしては評価されていないらしい。しかし情けない主人公(大学を出たけどフリーターの28歳、額が後退していることを気にしてこのまま中年になってしまうことに焦りを感じている)の心境、恋とセックスの描写がイカしてる。

 そうだ、2/20 HAYAKAWA at Buddy、御来場出来なかった熱心なファンの方々から当日の演目をここで発表して欲しいとの御要望が殺到していました。
1. Pordoi (ポルドイ)
2. Tochi
3. 8ビート系即興から当日朝作った8分の5拍子のリフへ(しかしどうも本番では何拍子になっているのか良く分からなかった)
4. シャーマターラのマサカリ
   <休憩>
5. ウミサソリ  (Eurypterus ユーリプテルス)
6. バリタコ
7. ドラムソロ~ Pedal Tones
8. Syllogisme Colonial

アンコール. Triple Spirals

貴重な御来場の皆様方、ありがとうございました。アンケートのご賞賛も励みにいたしやす。

 んでもって、一昨日なんと光栄なことにカルメン・マキさんのレコーディングに参加いたした。カバー中心のアルバムで色々なミュージシャンが参加するようだ。そのうちの2曲をキョンが仕切ることになってそこに呼ばれたという案配。キョンのピアノに有田君のバンジョー、ヤヒロトモヒロのパーカッション、俺のウッドベースで浅川マキさんの「カモメ」、ブレンダ・リーの「The End Of The World」を録音した。<カモメ>は歌の情念と共にバンドがかなり激しくインタープレイをした感じ。それに対して<The End Of The World>は淡々としたバンド内でベースだけガキガキ弾いてこれも面白かった。マキさんの歌声は存在感がすごい。

 明日のライブはちょっとJazzy なイメージなので Ornette Coleman <The Shape Of Jazz To Come>をかけながら書いているのだが、いやいや、いいねえ。1959年録音、邦題は「ジャズ、来るべきもの」だ。45年前からこんななんだから、そして続いているんだからオーネットは凄い。

その114   (’04/ 3/31)

 バタバタしている内に一ヶ月経過。ひとつ年齢も重ね人格に重々しさの加わった春である。三月は色々ありました。その色々のなかから音楽、レギュラーでないものを記述しておこう。
 3/12,20<新井田耕造ユニット>のライブに2回参加。近年民俗音楽のリズム手法を研究している新井田氏、ポリリズムのややこしい曲を沢山作っているようだ。ベースパターンもかなり符割が細かく勉強になりました。インド音楽やアジアン・ポップを思わせるものなど曲調も面白かった。メンバーも若手ばかりで殆ど初めて一緒になる人たちだったので新鮮。
 3/19<早川生誕記念セッション>:恒例のアケタでのバースデイ・ライブである。この大台に乗るという節目のせいか、いつに無く大盛況だった。ナベ<tp>,会長<cello>,真理ちゃん<perc>,キーヤン<d>。
1. Down Down /2. Tarzan in Tokyo (ナベ曲)/3. Drothan’s Walk(R.Kirk曲、tp,ac.b,d)/4. パーカッション・ソロ~Kera Kera(生向委のレパートリーだったラテンもの)  ~休憩~
5. Tango (cello & ac.b)/6. Sambal Chili  /7. Caravan /8. Off The Door /アンコール. パルプ・フィクションのテーマ
 という、Kowloon の中の曲がやや多めではあるが変化に富んだ楽しいセッションであった。巨大ケーキや豪華花束、ワイン、シャンパン、衣類、アクセサリー、自転車オイルなど山のようなプレゼントを頂いたし、翌日に正式リリースを控えた<骨>も飛ぶように売れまくった。さらに盛り上がっていただくには還暦セッションあたりまで生き延びねばならぬのだろうか。
 3/23<コクシネル>:金沢在住の野方攝<vo>、池田洋一郎<g,コンピュータ>のユニットでバンド形態としては86,7年以来の復活である。休止前のメンバーであった僕と、ここではドラマーである石渡明廣に加え中山努<key>を中心に、近藤達郎<p>、割礼・宍戸幸司<vo,g>、山際英樹<g>、映像にアズビー・ブラウン という盛り沢山なメンバー。俺はMC924とAFRフレットレスを駆使して好演を展開し、全体もなかなかだったのでライブアルバムになるらしい。思いっきり間違えたとこもあったけどな、俺が。
 3/24<DANGER>:懐かしの「Danger/ドクトル梅津バンド+忌野清志郎 1982」の、昨年に続く2回目の復刻ライブ。なんと新曲も数曲あった。前回時間切れでリハをせぬままやってボロボロになってしまったアンコールの「雨上がりの夜空に」も今回もリハでは手をつけなかったがバッチリであった。朝から自分のやった<Glad All Over>に合わせて練習していったからな。
3/25<HAYAKAWA レコ発ライブ#1>:高円寺 Show Boat ,共演にKilling Floor 、Living Gate。Living Gate はスリー・ピースのロックだがリズムパターンがひとひねりあって面白かった。Killing Floor は管・打入り乱れのファンク・アフリカ・チャンプルー・ダンスバンドで相変わらずのノリの良さ。コード楽器がなくその分チャップマン・スティックが活躍しているのも楽しい。そして最近益々パワーアップと噂のHAYAKAWA、対バンがあると燃えやすいメンバー、時間的制約からくる凝縮志向が作用してそれはそれはいい演奏であった。これでツアーが楽しみである。そうでしょう?人さえ来てくれりゃあな。
 で、あとは毎日某バンドのレコーディング・リハーサル。今日ももうすぐ出かけます。明日からツアー、帰った翌日からそのレコーディングに入る。なんかボロボロに疲れそうだ。

その115   (’04/ 4/16)

 HAYAKAWA<Hone~骨>発売記念ツアー、無事(と言えるかどうか)終了。アルバム曲中心のメニューに日によっては新曲(2月に一度だけやったもの)を入れた。楽器はMC924をメインにSR905を2~3曲で使用、アンプは車の都合上現地調達。
 初日1日は豊橋 House of Crazy。殆ど生音のダイレクト感がいい。終わってからドラマーであるマスターとスタッフと共に居酒屋でニューオリンズ・ファンクやWARの話で盛り上がる。
 翌2日、名古屋 トクゾー。ここはPAでドカンと出してくれ、前日とは違ったやり易さと音圧。前回一昨年より観客も増えていて心強い。バンマスはこれが気掛かり。アンコールも2回あって嬉しい。安堵のあまりベロベロになったもようで店でひとしきり飲んでから行った焼き鳥屋での記憶は不鮮明だし朝起きたらフタだけ開けて手を付けていない缶ビールが机の上にあった。
 3日はこのバンドでは初の飯田のCanvas。スペース的には生音に若干補助的にPAを足すくらいなのだが、マスターが喜んでガンガン音量を上げてくれた。スバラシイ。ビールにワインに焼酎と飲みました。

磔磔にて   演奏中植村撮影

 4日京都・磔磔。30周年記念月間である。長野のバンド<SO-DO>と対バン、大いに盛り上がる。1ステージである分集中した勢いが出てこれもまた良い。SO-DOから借りたEDENのベースアンプも良かった。
 5日最終日、ここも初の大阪 KNAVE。COILでは2回来ているが完全と言っていいロック小屋である。ううむ、不安適中のお客の入りではあったがそんなことに左右される我々ではない。慣れてるもんね、くそっ。演奏はツアーの締めに相応しいものであった(と思う)。5日中4日も来てくれたK君のリクエストに応え久し振りに前作から<294>をやる。
 毎度の自画自賛であるが五日間毎晩続くと発見あり発展ありで総じていい内容だった。
 レコ発記念という名目でのライブの最後を飾るのは4月14日、高円寺ジロキチ。3回目になる<13oz>(13オンス)との対バンである。共に2ドラムス・バンド、毎回盛り上がるが今回も立ち見びっしりの盛況、勿論13oz人気のお陰だが後発の我々に場内大いに沸いてくれた。アンコールに<triple Spirals>、13ozの皆も入り乱れて愉快に轟音で終演。いやー、これでひと段落である。東京だと車なので飲めないのが残念。

 そしてその翌日、私は12時間近い長旅を経て沖縄の伊平屋島にいたのである。那覇空港から運天港までの1時間半のバスでオリオン・ビールを5本飲んでしまった私は前夜1時間半しか寝ていないこともあって島への船内では爆睡、夜のビーチでのバーベキュー大会では復活出来ず唄と三弦と泡盛でのカチャーシー大会に加わることもなく隅っこでごろごろ。何せ何を飲んでも食っても進まないのだ、この俺が。まあこういう日もある。帰ってシャワー後イラク人質無事解放の報道を見つつビールを飲み直して就寝。
 さて今日は元気に泳ぐぞ。昼飯と午後のビールを堪能するぞ。っと、仕事で来たんでしたね。

真っ暗なビーチで地元名手の唄と三弦
早朝の宿舎前の海

その116   (’04/ 5/17)

  <Hone~骨>ツアーから帰った翌日からだった「某バンド」のレコーディング、事務所からの箝口令が解除になりました。アップした時は書いてしまっていたのでもうバレバレ、麗蘭です。ツアー前にじっくりリハで作り込んであったのでベーシック・トラックは順調に進行、いいテイクをセレクト出来た。MC924 で4曲、SR905 とSR3005 が2曲ずつ、NSアップライトとウッドが各1曲という楽器構成。SR3005 は楽器コーナーに書いてあるが3月に手元に来た5弦。ライブでは905 の方が断然弾き易いのでまだそれほどステージには登場していないがこれがくすんだ渋みのあるいい音に録れている。905 は明るいベリッとした音でこれも曲にマッチしたいい具合。MC はいつもの通り。NS はラテン・フレイバーな曲で使用したのでピエゾ・ピックアップのみでサルサのベビィ・ベース(あのポコポコした音のアップライト)寄りの音色を作った。ウッドでは部分的に弓を使ったがこれもオゴソカな効果を生んだ。と、ベースのことしか書きません。アンプは、スピーカーはJBL 15インチ一発に対しHartke3500、Peavey Series400、 Peavey Max (プリ)+Roland SR1200(パワー)の3種のヘッドを使用。最近の主だったアルバムで言うと、<Kowloon >ではHartke、<骨>ではSeries400を使っていたのだが、今回はHartkeのタイトな感じとオールドPeaveyの荒っぽさを使い分けた。そこに4日目になってから、かつてPeaveyのCS800というどえらく重いパワーアンプと組み合わせていたMax というプリアンプの音色がどうしても忘れられず、物置の奥から使っていなかったローランドの175Wのパワーアンプと共に引っ張り出して見た。CS800は9年くらい使っていたのだがついに重さに耐えきれず一昨年売却、Hartkeにしたのだ。プリアンプの方は手放さずにいたのだが久しぶりに鳴らしたらやっぱりいいのである。スタッフ一同にもそう言われる。ああ、もっと早く思い付けば良かった。
 ここからレコーディングから話は外れてしまうが、さすがにライブで175Wではすぐ歪んでしまうことは目に見えているので新しいパワーアンプ購入を検討。今はトランス部の小型化でハイパワーでもずっと軽量化されているのでありがたい。が、しかし、かつてのように容量に大雑把な余裕を持たされていないため楽器用として使うと過敏な保護回路が作動して瞬間的に音量が落ちたり無音状態になるものが多い。特に俺のように強弱の幅が広い奏法だと(いや、ずーっと強?)そうなり易いのである。で、ある朝うつらうつらしている時に閃いたのだな、プリアンプのアウトをHartkeの裏面のエフェクトのセンド・リターン端子のリターン側に突っ込んでみたらどうだろう。これで音が出ればHartkeのパワー部だけを使用するのに近い状態になるのではないだろうか。それで早速その日の麗蘭のリハーサル(これは4月24日・磔磔スペシャル用)に持って行って試してみたところ果たして音は出た。Hartkeの音の癖のあまり好きでは無い部分が見事に解消され、好みのPeaveyらしさが明確ではないものの感じられる。という訳でいいパワーアンプが見つかるまでこのセットで行くことにした。でも結局いろんなエンジニアに訊くとパワーアンプってやっぱり重くないとダメみたいね。それでは元の木阿弥。

 その磔磔。30周年ということでスペシャル・ラインナップが4月~5月連休まで毎夜繰り広げられた。4月4日のHAYAKAWA with SO-DO もその一環であったのだが、俺は24日の麗蘭、26日の梅津KIKI Band と光栄にも計3回の出演となった。
 20周年の時には<寿バンド>と称して:仲井戸麗市、石田長生、俺、水島博範(店主・ドラマー)でやったがこの度は麗蘭+水島。仲井戸、土屋公平、俺、北澤篤に、中盤にドラムが入れ替わり水島が三曲叩くという趣向である。前日の23日に麗・蘭・早は京都入り、水島氏とリハ。24日、午後からの店でのリハもばっちり、6:30の開演。三百数十人の満員電車状態である。俺のバンドの時に来ればゆったり座って見られるのによ~。メシだって食えるのに(低音振動で消化迅速)。昨年末同様、JBタッチの<Funky Openning>~レゲエ<たそがれSong>で始まり<待ちわびるサンセット>と続くお馴染みの気持ち良さ。中盤に「30周年コーナー」として、ここで演奏してきた全てのバンドマンに捧ぐ、という新曲<Bandman on the Road Blues>、麗蘭1周年の時のファンクナンバー<Birthday Song>を終えていよいよ水島登場。ロックンロールで<ルート66>、スローナンバー<You send Me>、そして水島のザ・スリッカーズのアレンジでニューオリンズ基本曲<アイコ、アイコ>、さすが、味なドラム。観客とのコール&レスポンスもあり会場大いに盛り上がる。人柄を反映したハートウォームなドラミングに30年の歴史を重ねジーンと来たね。

叩き終わった水島氏を彼のカメラでオレが撮影
ステージから水島氏撮影の客席

 その後は「今夜R&Bを」を経て「ミュージック」へとドカーンとまっしぐら。アンコールも4曲やって上から下までびしょびしょになって終演した。
打ち上げもメンバー、スタッフ、友人、ミュージシャン入り乱れて盛大であったが...記憶が...。磔磔HPの写真コーナー(上2枚も転載)の、打ち上げ終盤の集合写真に写ってねえもんな、俺。まあ俺は演奏に全てを捧げるタイプだからな。同ページの2日後のKIKIBand ではしっかりした姿が見られます。

その117   (’04/ 6/25)

  随分長くやってきた Missing Link、満を持してのレコーディングを今月行った。このバンドはずっと以前ライブを見てから気になっていたところ、CO2が名古屋・得三で演奏していたときに他のバンドで名古屋に滞在していたリーダーの渡辺隆雄が来ていて終わって飲んでいる席で「俺にベースをやらせろ」と迫り参加することになったのである。それから苦節ナン年、近頃は実に充実しておる、内容的にはな。で、8日に都内某高級スタジオで最終リハ、翌9日から相模湖の南、藤野の山の中の神奈川県立「藤野芸術の家」という高級施設で泊まり込みレコーディング。梅雨ではあるし大事な録音でもあるけれど、何があるか分からないのでロードバイクとウェア2日分を、アンプ、機材、エレキベース、ウッドベースで満載の車内に突っ込んで出かけた。9曲予定の内5曲が初日夜9時までに録れてしまうという、日頃の鍛練のたまものとも言える素晴らしいペースだ。
 隣接する宿舎での宴会はメンバー一部ノリにノリまくり散会は朝5時45分。私は6時に寝て(その前に宴会中ひっくり返っていたけど)9時に起床、前夜コンビニで買ってあったざる蕎麦とバナナを食って小雨のなか10時前カレラで出発、少々キモチ悪いが早速牧野方面へ坂を上る。結構なアップダウンをくり返しながら秋山温泉というところまで行って11時スタートと固く言い渡されていたので引き返しコンビニを経由して剃刀を買い5分前帰着、18km。
 さて2日目は幾分手間取ったが日頃エレベでやっている曲をウッドで弾いて好評だったりとなんとか規定の9時撤収に間に合った。この日の宴会は2時過ぎには終了。翌朝は今度はソーメンとバナナで8時前にまたまた小雨の中出走。昨日同様牧野方面から北上、車の通らないアップダウンに富んだ山深い道で上野原に出て再び裏道を適当に走って藤野へ戻った。いい道だった。20km。実は夜は都内でKIKI Band のライブなのでこのくらいにしておく。着替え、荷物を片付け10時チェックアウト。いやあ、いい上りだった。じゃない、いい演奏だった。

 6月17日、アケタの店30周年記念企画・早川オーケストラ。管楽器のアレンジなんて生活向上委員会以来かも知れないと思案にくれる日々。しかしまあ別にオーケストラと銘打ったからといって大袈裟に編曲をすることもないな。俺にしては珍しい大人数で音頭を取るということに意義があるのだ。実は明田川氏から「なんでもいいから人数を増やしてオーケストラという名前で」という依頼がきっかけ。4管にしようかとも思ったが熟考のうえ片山広明:ts、田村夏樹:tp、後藤篤:tb の三本に決定。それに自分がリーダーでは入れたことの殆どないピアノに清水くるみ、以前 HAYAKAWA でピンチヒッターをやってもらった事もあるギターの斉藤良一を誘い、ドラムにはこの曲者揃いにもひるまずに初対面だろうがぶっ叩く筈の田中栄二。ううむ、なかなか素晴らしい人選である。当日の現場リハだけで曲を消化してくれるというのも大切なポイントだったが。
1. Down,Down 2. 玄武 3. いかれた地図 4. Caravan
<休憩>
 5. Toraumanequo  6. Kera Kera 7. On a little boat to Aivalik 8. Off The Door
 en. パルプフィクションのテーマ

 という選曲。#1、#8 はアレンジも決めごとも殆どなし。#2(HAYAKAWA,KIKI Band)、 #5(CO2)、#7(D.U.B.) は元々2声で作った曲なのでそれに則して振り分け。#3、#4、#6とアンコールに新たに管アレンジを施した。と言っても4、アンコールはかなり馬鹿馬鹿しいもの。
 演奏は皆さんの力量・個性のおかげで大変素晴らしかった。フロントで管の出入りやその場での簡易バックリフを仕切ってくれた片山君に感謝。頼んだワケじゃないんだけど。

MC中の私/アケタの店:島田総監督撮影

その118   (’04/ 7/23)

  その、アケタ30周年の企画で「仲井戸麗市氏にぜひ出演をして欲しいのだが」という明田川氏からの要望で腰の重い仲井戸君の説得工作に当たり実現、「御祝儀スペシャルユニット」。6月25日、仲井戸Chabo麗市、片山広明、新井田耕造、早川。皆の予定が合わず本番日の10日程前に長時間リハ、当日昼間にも全曲リハという中々ハードなスケジュール。満員打止めの観客の中で約3時間のライブは盛り沢山でやり応えがあったというか疲労困憊というか。こういうセッションでもブルースものやカバーもの中心でお茶を濁さずに新しいチャレンジを盛り込んでくるのが仲井戸氏の素晴らしいところである。それに先日片山君が「チャボのギター、久しぶりにやったら凄く良くなってたなぁ」と感嘆していたけれど、アコギの多い麗蘭と異なりエレキを弾き倒してくれて気持ち良かった。

ステージに向かう直前、アケタ事務室にて
島田写真館より借用

 では閑話休題、ズルします。ベースマガジン先月(7月)号に書いた原稿。

<ベーシストが語るアフロ・ファンクの魅力> ひたすら続くうねうねしたグルーヴ。太くゴムまりのような弾力のベース、絡み合うギターのカッティングや単音フレーズ、シンプルなドラムと伝統のパーカッションが織りなすググッと訛りのきいたリズム、それらが延々と持続する。これが脳内麻薬を生み出し陶酔と高揚を呼ぶフェラ・クティの生んだアフロ・ビートだ。場末のスナック風キーボード、自己流丸出しの管楽器類など、何と言っても洗練とはほど遠い70年代のアフリカ・ジャズファンクはエネルギーに満ち満ちている。げげっ、という下手なバンドもある。これも良い、ノリが。曲によっては国籍不明演歌の感もあるがこれがまた良い。メロもコードもマイナーなのに何故かベースラインがメジャーだったりもする。これもまた良い、キモチ悪さが。シーン全体が時と共に洗練されて行くが、是非ともこの土着的インパクトあふれる黎明期から手を付けて頂きたい。

Zombie / Fela Kuti & Afrika70 (77年):フェラの代表作だろう。典型的フェラ・スタイル、10~12分のどの曲もベースは1~2小節のパターンをただ延々と繰り返している。無我の境地に突入!これでライブは何時間も続いたと言う。強固な反政府のメッセージをぶち込んだ演奏は言葉なんぞ分からなくても強力なソウルとグルーヴを伝える。
・Jealousy ~ Progress / Tony Allen (70年代後期):フェラのバックバンド Afrika 70 のリーダー的存在だったドラマー、トニーのリーダー作。バンドも曲の傾向も同じだがドラム・パターンが凝っていたりリズム・セクションのフィーチャー・パート等があったりとフェラの作品とはひと味違う。
・African Rhythms / Juju(75年):後に<TheOnenessOfJuju>と改名しその名義での再発もあるようだ。タイトル通りのリズムの波が押し寄せる名演。アメリカン・ファンクの影響濃いサウンドだがかなめの打楽器群やベースはやっぱりアフリカンならではの発想と演奏。
・Afrijazzy(邦題:ソウルマコッサ) / Manu Dibango (87年) :フェラと並ぶ大御所。70年代に不動の地位を築いた大ヒット「ソウル・マコッサ」をビル・ラズウェルのプロデュースでハービー・ハンコック、ブーツィ・コリンズ、スライ&ロビーなど豪華メンバーによりリメイクしている。
・Bao Bao / Manu Dibango (95年?):このアルバムの方がアフロ・ファンクのイメージに近いかも知れない。1曲目<マコッサ・ロック>はフェラと対照的な洗練されたサウンドだがひとつの進化の形であることは間違いない。スタイルを貫き通したフェラと、広く世界に共演者を求めて変化して行ったマヌ、この二大長老サックス奏者の歩んだ道をたどって見るのも面白い。

実際に掲載されたものは編集者によってやや手が加えられている。

 7月中旬は何年か振りの CO2 ツアー。良い演奏ではあったが帰ってきて翌日の新宿 Pit Inn 終演後に片山君解散宣言。酔っぱらってやんの、なんて思ってたら本気でした。大阪本番前は新世界の串カツ屋で飲んだ。芸能人のサイン色紙が大量に貼ってあって繁盛していたが、どうもあれはアカン。10種類くらいは注文したがコロモでどれが何やらさっぱり分からん。

しかし、暑い!!しかし連日走っておる。脳みそが沸騰しておる。

その119   (’04/ 8/24)

国道17号の橋の上から会場のステージと観客を眺めて出発

 この夏は昨年のライジングサンに続き、麗蘭が<フジロック>に出演した。7月28、29日とリハーサルを行いそのまま夜中会場の苗場に向かった。本番30日は昼間からフェスは始まっているから会場でリハなど出来ないので夜の出番まで時間がある。回りは山。当然自転車持参で、明け方4時まで飲んだというのに午前中から湯沢の山の中を50km走り、余計な力の抜けた本番はばっちりであった。バンドも観客も大ノリだったと思われる。

 8月はあたまにコクシネルを2本、テレビ収録とライブ。このバンドではギターは1曲しか弾かない石渡のドラムは素晴らしい。スターパインズ・カフェでのライブには10年以上前にやっていたラップ・ファンクバンド<Jazzy Uppercut>のノブが来ていて久し振りの再会。HPを作ったというので早速リンクした。 DEEPCOUNT  コクシネルの方は3月のライブのアルバム化が進行中である。

 麗蘭は8月半ばにも昨年同様大阪のイベント<ONE NITE SUMMERTIME BLUES >に出演。エレファント・カシマシを7、8年振りに見たけれど良かった。演奏も曲も歌詞も。

 8月21日にはHAYAKAWA で9ヶ月振りにアケタの店出演。いやもうリハの時からうるさいのなんのってもう耳が痛い。勿論本番はもっとでかくなる。アンケートに「1ステージ目はベースが埋もれてよく聴こえなかったが2ステージ目はいつもの音に戻り気持ちよく爆音に揺られた」という御意見もあったほどメンバー全員デカかったようだ。俺がデカくても合わせてデカくしてはいけない、音楽とはそういうものではないのだ、と良くメンバーにアドバイスしておこう。お客様は大入りで感激ものである。おそらく店の月間トップ動員数であろう(ちょっと志が低いか?)。しかし席の選択の余地がないだけに「**さんのギターの音で失神しそうになった」という方など、被害もあったもよう。ま、お客・メンバー一体となって爆音に立ち向かい連帯感が生まれたということで。

島田写真館より借用

1.900ton 2.アンモナイトの悩み 3.Syllogisme Colonial 4.新曲名前ナシ
<休憩>
5.Pedal Tones 6.Am曲名未定 7.バリタコ 8.294 /アンコール:Triple Spirals